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「運動が極端に苦手で、体育の授業がつらそう」 「走り方がぎこちない、よく転ぶ」 「縄跳びやボール投げがどうしてもできない」 「じっと座っていられないのに、運動は嫌いという矛盾」
こうしたお子様の姿は、単に「運動神経が悪い」のではなく、発達性協調運動障害(DCD)や感覚統合の未熟さが背景にある可能性があります。
帯広市で放課後等デイサービス・児童発達支援を運営する「しょうとくクラブ」では、運動療育を療育プログラムの重要な柱として位置づけています。ただし、体育の授業のように「できるようになること」をゴールにするのではありません。体を動かす心地よさを感じ、自分の体への自信を育てることが、私たちの運動療育の目的です。
発達に特性のあるお子様の中には、運動面に困難を抱える子が少なくありません。厚生労働省の調査によると、発達性協調運動障害(DCD)は学齢期の子どもの約5〜6%に見られるとされています。ADHDやASDと併存することも多く、「不器用さ」として見過ごされがちです。
DCDのあるお子様は、脳から体への運動指令の伝達に特性があり、動きの計画・実行がスムーズにいきません。跳び箱を跳ぶ、縄跳びを回しながらジャンプする、ボールを投げるタイミングで手を離す——こうした複数の動きを同時に調整することが、定型発達の子どもより何倍も難しいのです。
それなのに、「もっとがんばれ」「見てれば覚えるでしょ」と言われ続けると、運動嫌いどころか、自己肯定感全体が下がってしまいます。運動が苦手なお子様こそ、適切な支援と「できた!」の体験が必要です。
しょうとくクラブの運動療育は、「運動能力の向上」だけを目指しているわけではありません。体を動かすことを通じて、次の5つの力を育てています。
ボディイメージとは、自分の体の大きさ、形、各部分の位置関係についての認識です。ボディイメージが育っていないと、ドアの幅と自分の体の幅がわからずにぶつかったり、椅子に座るとき距離感を見誤って転んだりします。
しょうとくクラブでは、トンネルくぐり、フラフープくぐり、障害物コースなど、「自分の体がこの隙間を通れるかどうか」を判断する活動を取り入れています。繰り返し体験する中で、体の大きさの感覚が少しずつ育っていきます。
「座っていられない」「すぐに姿勢が崩れる」という困りごとの背景には、体幹筋の弱さがあることが多いです。体幹が安定しないと、椅子に座り続けること自体がお子様にとっては全力運動のようなもの。勉強に集中する余裕がなくなるのは当然です。
バランスボール、四つ這い歩き、動物歩き(クマ歩き、ワニ歩きなど)で、遊びながら体幹を鍛えています。特に動物歩きは、子どもたちが大好きなプログラムです。「ペンギン歩きでゴールまで行けるかな?」と声をかけると、喜んで取り組んでくれます。
手と足を同時に動かす、目で見た情報に合わせて体を動かす——こうした協調運動の力は、日常生活のあらゆる場面で必要です。
いきなり完成形を目指すのではなく、動きを分解して一つずつ練習します。たとえば縄跳びなら、まずは「その場でジャンプ」だけ。次に「縄を回すだけ」。それぞれができるようになってから、合わせてみる。このスモールステップが大切です。
力の入れ加減がわからない、スピードの調節ができない——固有覚(筋肉や関節からの感覚)の処理に特性があると、こうした困りごとが出てきます。
「卵をそっと持つ」「友だちの手をやさしく握る」「スキップのリズムで歩く」など、力加減やスピードを意識する活動を組み込んでいます。
風船バレーは自己調整力のトレーニングに最適です。風船はゆっくり動くので、「見て」「判断して」「動く」までの時間が十分にあり、成功体験を積みやすいのが特徴です。通常のボールでは追いつけないお子様でも、風船なら参加できます。
運動療育でいちばん大切にしているのは、じつはこの「達成感」です。
運動が苦手なお子様は、学校の体育で「できない自分」を突きつけられる経験が多くなりがちです。その結果、「自分はダメだ」「何をやってもうまくいかない」という思いが積み重なっていきます。
しょうとくクラブの運動療育では、一人ひとりに合わせた「ちょうどいい難しさ」を設定します。少しがんばればできるレベルの課題を繰り返し、「やった!できた!」という感覚を積み重ねていきます。
この達成感は、運動だけでなく、学習や日常生活への意欲にもつながります。「がんばればできるかもしれない」——この気持ちが、お子様の成長のエンジンになります。
具体的なプログラムの一部をご紹介します。
**サーキットトレーニング** 平均台→マット→跳び箱(1段)→フラフープジャンプなど、さまざまな運動を組み合わせたコースを周回します。「次は何をするか」を見通す力、順番を待つ力も同時に育ちます。
**リズム運動** 音楽に合わせて体を動かします。手拍子、足踏み、タンバリンなど、リズムを体で感じることで、運動のタイミングを調整する力が育ちます。聴覚と運動の統合にも効果的です。
**ゆるスポーツ** 「誰でも楽しめる」をコンセプトにした新しいスポーツ種目を取り入れています。運動能力の差が出にくいルール設定で、運動が苦手なお子様も「楽しかった!」と感じられます。
**外遊び** 天候が許す限り、公園や園庭での外遊びを大切にしています。鬼ごっこ、だるまさんがころんだ、砂場遊び——昔ながらの遊びの中に、運動療育の要素はたくさん詰まっています。北海道の冬は外遊びが制限されますが、雪遊びやそり滑りなど、冬ならではの運動体験も積極的に取り入れています。
特別な道具や広い場所がなくても、おうちでできる運動遊びがあります。
大切なのは「楽しい」こと。お子様が嫌がるときは無理せず、本人が「やりたい」と思える活動を一緒に見つけてあげてください。
運動療育は、体力や運動能力を高めるだけのものではありません。体を動かす中で、ボディイメージ、体幹、協調運動、自己調整力、そして「できた!」という自信——生きていくために必要な力を総合的に育てていくものです。
帯広市の放課後等デイサービス・児童発達支援「しょうとくクラブ」では、一人ひとりの発達段階と特性に合わせた運動療育プログラムを提供しています。「運動が苦手」「体育がつらい」というお子様こそ、適切な支援の中で「体を動かすのは楽しい」という経験を積み重ねてほしい。それが、私たちの願いです。
お子様の運動面でのお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。見学・体験も随時受け付けています。
参考文献
・厚生労働省「DCD支援マニュアル」(令和4年度障害者総合福祉推進事業)
・中井昭夫 編『発達性協調運動障害——親と専門家のためのガイド』クリエイツかもがわ
・七木田敦・澤江幸則『インクルーシブ体育の創造』大修館書店
・笹田哲『発達が気になる子の脳と体をそだてる感覚あそび』合同出版
見学・体験 随時受付中
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